エラー: 無効なユーザー名です。パスワードをお忘れですか? 「妖怪ウォッチ」の仕掛け人が語るヒットの“極意” ――日野晃博・レベルファイブ社長インタビュー | 妖怪ウォッチ倶楽部

「妖怪ウォッチ」の仕掛け人が語るヒットの“極意” ――日野晃博・レベルファイブ社長インタビュー

「妖怪ウォッチ」が子供たちの間で大ヒットしている。今年1月にテレビ放送が始まるや、ゲームソフトの販売本数も1作目が110万本を超え、7月に発売された2作目は初週で販売本数130万本を突破している。関連のウォッチやメダルも品切れだ。実はこの仕掛け人は、福岡を拠点にするゲーム会社の「レベルファイブ」。日野晃博社長にヒットの極意を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 大坪稚子)

すでにゲームソフト1作目の販売本数が110万本を超えています。10万本売れれば売れたといわれるゲームソフト業界で大ヒットです。

「妖怪ウォッチ」は一つのコンテンツをゲーム、アニメ、マンガ、玩具などを同時進行で打ち出していくクロスメディア戦略をとっています。当社としては、「イナズマイレブン」、「ダンボール戦機」に続いて3作目です。

――妖怪ウォッチはどのような考え方で作ったのですか。

ドラえもんのような普遍的な作品をつくりたいと思いました。その時代の子供たちに愛され、長く続くような作品を、一から生み出したい。今の時代を映した設定やキャラクターなどを考えました。

――そのように考え始めたのはいつ頃ですか。

11年に妖怪ウォッチの映像を公開しているので、逆算していくと2010年ぐらいからですね。同時並行でいろいろな作品を作っていたのですが、僕にとって大きな作品でした。

レベルファイブの主な作品は僕が企画し、設定を考え、基礎となるストーリーを考えています。キャラクターのジバニャンと、最初に出てくる妖怪も考えました。

――クロスメディア戦略は3作目ということですが、過去の経験からどんなことを学んだのですか。

反省点もすごくあります。イナズマイレブンはもう6年やっているのですが、ストーリーが進むにつれて、もっと強い敵が出てこなくては面白くなくなったりしてマンネリ化してしまいました。

妖怪ウォッチではマンネリ化しない作りにしたいなと思いました。ストーリーではなく、バラエティ番組を作るという感覚です。お話はすべて一話完結で、30分の番組の中にいくつものコントが入っていて笑えるような内容にしました。

コントのネタもトイレの大のほうに入れないなど、等身大の子供たちをリストアップしました。友達の家に行って、部屋を暗くしてエッチな番組を見るとか、風邪で休みたいがために体温計をこすって温めるとか……。

――日野さん自身の経験ですか。

僕が全部、悪だくみの指示をしているわけではないんですけど(笑)。みんなでシナリオを書いています。

――シナリオ会議はどれぐらいの頻度で開いているのですか。

1週間に1回、5時間とか6時間ぐらいですかね。ライターは5人ぐらいいて、ママさんライターが2人います。「こんなことがあった」という子供のエピソードを参考にしています。

――月刊「コロコロコミック」の連載によって子供たちの生態を知ることができたりしますか?

ファンレターでは、なんとかという妖怪が大好きなどの声をもらうことが多いですね。以前、コロコロで「こんな妖怪がいたらいいな」という投票を行ない、採用した妖怪がいますよ。「一旦ゴメン」という妖怪で、納得できないのだけどとりあえず謝っておこうという。秀逸でしたね。

――ゲームソフトとしてはどんな工夫をしたのですか。

ゲームの世界では「オープンワールド」という手法なんですが、一つのストーリーをたどっていくのではなく、360度好きなところにいけるというものです。主人公が、さくらニュータウンという町で、妖怪を探したり、人助けをするというゲームです。クエスト(ゲーム内で出されるミッション。クリアすると妖怪集めやバトルに便利なアイテムなどをもらえる)もいろいろ入っていて達成感もあります。

クロスメディア戦略で関連商品を連動して打ち出していく

――妖怪ウォッチはゲームの発売日は13年夏でしたが、テレビアニメが始まったのが今年1月で、その後、ゲームも売れました。

本当はいっせいに発売する方がインパクトがあると思うのですが、どうしてもスケジュールがずれてしまう場合があります。今回はスケジュールのずれ方が絶妙で、少しずつ市場を開拓するかたちになりよかったと思っています。

――妖怪ウォッチはゲームの前にマンガが先行しましたね。

マンガは一番早くできるコンテンツですし、子供の人気も高いのです。ただ、イナズマイレブンの時もそうだったように、マンガを先行させると、原作がマンガだと思われてしまうんですよね(笑)。

――妖怪ウォッチの漫画はどうでしたか。

初期の頃からベスト3に入っていました。今のように圧倒的1位になったのは、今年に入ってアニメが始まり、いろいろなグッズが売られるようになってからです。

――玩具も売れましたね。

当初から妖怪ウォッチというおもちゃにメダルを入れて、遊ぶというアイディアはありましたが、今ではメダルが妖怪ウォッチを遊ぶための通貨になっています。3DSのゲームソフトでもアーケードゲーム(ゲームコーナーなどに設置されているゲーム)でもメダルで遊べます。妖怪ウォッチのおもちゃを持っていないのに、妖怪メダルだけ欲しいというのも珍しいことではなくなりました。

――7月10日に、「妖怪ウォッチ2 元祖/本家」を出しましたが、初週にして130万本を突破しました。

第一弾がいまだに売れているので第二弾を出さなくてもいいようにもみえるのですが、クロスメディア戦略でみんなで連動して商品を出していく計画があるのです。

――なぜ2つのバージョンを同時に出すのですか。

今、流行っているということで、親子やきょうだい、それぞれが遊びたいと思っている人が多いと思うのですが、さすがに同じものを2本買うのには抵抗がありますよね。登場する妖怪やイベントにも違いを出すことで、選ぶ楽しみを増やせると思っています。

――元祖と本家、どちらのほうが売れそうなのですか。

僕が言うのは問題がありますが(笑)、本家のほうが少し予約が多いみたいです。OPの歌は元祖のほうが人気のようです。

――海外展開についてはどう考えていますか。

米国展開を始めます。海外でも「YO-Kai Watch」として売り出します。妖怪ウォッチが「ヨーカイ」と言う言葉を世界に広げてくれるかもしれません。

――ゲームはいつから始めたのですか。

小学校1年生とか2年生とか、そのころですね。ファミコンよりずっと前の話です。パソコンはなくマイコンの時代です。コンピュータでゲームをしていたので、パソコンよりスペック(性能)が劣るファミコンにはあまり興味を持てなかったのです。ところが、(1988年に)「ドラゴンクエストⅢ」に出会って見方が変わりました。発売日には徹夜組が出たりして、社会現象だったのです。そんなに面白いならやってみようと思ったのです。

いざやってみたらすごく面白くて。こんなに人を感動させられるゲームというメディアはすごいんだなと思いました。ゲーム業界に入ったのはその後です。

――起業したのはいつでしたか。

オリジナルのゲームを作りたいと30歳の時に起業しました。「ダーククラウド」というオリジナルのRPG(ロールプレイングゲーム)で、プレイステーション2向けのゲームを最初に手掛けました。国内外の販売本数は100万本を超えました。

――その後、ドラクエを作りましたね。

当時のエニックス(現スクウェア・エニックス)の方が「すごくいいゲームだからいっしょにやりたい」と福岡まで来てくれたのです。当時、僕はソニーさん(ソニー・コンピュータ・エンターテインメント)の開発の仕事をしていて余裕がなかったので、やむなくお断りしました。

その後、いっしょに飲みに行った席でドラクエについて熱く語っていたら、プロデューサーから「それなら自分で作ったらいかがですか」と言われました。話がどんどん進み、ドラクエ生みの親の堀井雄二氏にもお会いし、本当にドラクエⅧを作ることになりました。

――当時はレベルファイブはゲームの開発会社でした。現在のようなゲームの開発も販売もするような会社にしたのはどうしてでしょうか。

これまで苦労してゲームを作ってきても、ちやほやされたことなどないのに、ドラクエⅧを作ってから注目を集めるようになったのがきっかけです。

ドラクエを作る前までは、自分の好きなゲームを制作して収入が得られればいいと思っていたのですが、ドラクエを作ってから変わりました。自分たちでドラクエのようなブランドを作らないと、ゲームを作ったことにならないのではないかと。自分たちのIP(キャラクターやゲームタイトルなどの知的所有権)を持って勝負する会社になりたいと強く感じました。

――そこで生まれたのがニンテンドーDS向けのレイトン教授シリーズですね。

ヒットの度合いは妖怪ウォッチには及ばないレベルですが、ヒットの意義は大きかったですね。

――最初だけヒットしたという一発屋も世の中にはあると思うのですが、ヒットを持続できたのは何がよかったのですか。

ドラクエをやらせてもらいましたし、開発会社としていろいろな作品をやってきたので、ヒットの感覚のようなものはある程度持てるようになったと思います。こういう作品を作ったら売れるかな、こういうのはよくないかなというのはある程度はわかっているつもりです。ヒットしているIPの続編はニーズに合わせて作っていきたいと思いますが、常に新しいジャンルのゲームに挑戦してきたというのがよかったと思います。

出典:Diamond Online

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